2026年9月4日の外国為替市場では、円が主要3通貨に対して小幅に売られる展開となりました。ドル円は156.25円で、前日比+0.244円(+0.16%)の円安・ドル高。ユーロ円は181.488円で+0.329円(+0.18%)、ポンド円は211.416円で+0.890円(+0.42%)と、値幅・変化率ともにポンド円の上昇が最も目立ちました。
背景として押さえておきたいのは、この日に至るまでの急速な円高です。日銀が9月会合で追加利上げに踏み切るとの観測が強まったことに加え、ベッセント米財務長官による円安是正への思惑、GPIFの基本ポートフォリオ見直し観測なども重なり、3日のドル円は終値ベースで約1.8%下落。2日間で5円前後の下げとなり、一時155.30円前後まで水準を切り下げていました。米国側では、ウォラーFRB理事が「ディスインフレ傾向が続けば据え置きを支持する」と述べたことで利上げ観測が後退し、米長期金利の低下がドル売りを促した面もあります。
4日の東京時間は、この急落の反動から買い戻しが先行しました。朝方は155円台で推移したものの、午後にかけて水準を切り上げ、15時時点では156円台前半での取引となっています。日経平均株価が前日比806円高と大幅に上昇し、リスク選好的な地合いとなったことも円の上値を抑えた一因とみられます。
最大の材料は、日本時間21時30分に発表された米8月雇用統計でした。非農業部門雇用者数は+16.2万人と市場予想の+5.5万人を大きく上回り、失業率は4.1%、平均時給は前月比+0.3%・前年比+3.1%と、いずれも底堅い内容。米金融政策の引き締め観測が再燃し、ドル円は発表直後に156.75円まで急伸しました。もっとも、その後は日銀の利上げ観測や当局による円安是正介入への警戒感から円の買い戻しが入り、NY市場では155円台まで押し戻される場面もあるなど、方向感の定まりにくい荒い値動きとなりました。
ユーロ円は181.64円から180.23円まで下落した後、181円台後半へ切り返す往復の展開。日欧の金利差縮小観測を背景にユーロ売り・円買いが優勢となる時間帯もありました。ポンドは対ドルでは1.3536ドルから1.3483ドルへ下落したものの、対円では相対的に堅調さを保ちました。原油相場の再上昇を受けてイングランド銀行の一部当局者が予防的な利上げを主張していると伝わっていることが、ポンドの下値を支えた要因として指摘されています。この日はベイリーBOE総裁やECBのレーン専務理事の講演も予定されており、市場の注目を集めました。
総じて、この日の円安は前日までの急速な円高の反動と、米雇用統計の上振れによるドル買いが重なった結果と整理できます。今後は米8月消費者物価指数(CPI)や日銀の金融政策決定会合が焦点となり、日米金融政策の方向性を巡る思惑が引き続き相場の変動要因になりそうです。実際の取引にあたっては、指標発表前後の値動きが大きくなりやすい点や、当局の為替政策を巡る発言にも留意が必要です。
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