2026年8月11日の為替市場では、円が主要通貨に対して全面的に軟調となりました。ドル円は159.236円と前日比+0.506円(+0.32%)、ユーロ円は183.824円で+0.674円(+0.37%)、ポンド円は215.054円で+0.921円(+0.43%)と、いずれも円安方向に振れています。上昇率はポンド円が最も大きく、ドル単体の強さよりも円売り圧力が全体を押し上げた一日だったと整理できます。
この日は日本が山の日で祝日にあたり、東京勢の参加が限られる薄商いのなかで推移しました。ドル円はアジア時間の朝方に159.30円付近から158.93円付近まで一時押し下げられたものの、下値では早々に買い戻しが入り、ロンドン時間には159.39円付近まで高値を小幅に更新。その後は159.10〜159.30円台でのもみ合いに落ち着き、値幅自体は限定的でした。
相場の底流にあるのは、7月30日以降の日本の円買い介入(翌31日には米財務省もニューヨーク連銀を通じて円買いに動いたと伝わりました)からの戻り基調です。ドル円は介入後の下落幅の半分以上を回復し、200日移動平均線も再び上回りました。前日に公表された日銀7月会合の「主な意見」では、物価の上振れリスクへの警戒や想定より速いペースでの利上げに言及するタカ派的な意見が示され、短期金融市場では9月利上げの織り込みが6割超まで進んだと報じられています。それでも円高が定着しにくいのは、日米金利差が依然としてドル買い・円売りを支え、為替のボラティリティが低位にとどまっているためだと指摘されています。
この日の材料としては中東情勢も意識されました。ホルムズ海峡の開放をめぐりイランと米国が互いに補償を求める展開となり、合意への道筋が見えにくいとの見方からNY原油先物は82ドル台から84ドル台へ上昇。米10年債利回りも4.70%台から4.73%付近へ上昇し、いわゆる「有事のドル買い」がドル円の下支えとなりました。ただしロンドン午後に原油が82ドル割れへ反落するとドル買いは巻き戻され、ドル円は159.10円付近へ押し戻される場面もありました。ユーロドルは1.1530〜1.1550ドル、ポンドドルは1.35ドルを挟んだ振幅にとどまり、クロス円の上昇は主に円側の要因によるものだったといえます。
市場の関心は12日に発表される米7月消費者物価指数(CPI)に集まっています。6月は前年同月比3.5%と前月から鈍化しましたが、7月は小幅な上昇に転じるとの見方が伝えられており、結果次第で米金利観の修正が生じ得ます。13日の米生産者物価指数、14日の小売売上高、さらに週内の米国債入札も需給面の手掛かりとなります。一方で160円付近には100日移動平均線が位置し、この水準に近づけば日本当局の対応への警戒感も意識されやすい局面です。本稿は事実関係の整理を目的としたもので、今後の方向性を示すものではありません。
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