ドル円159円台へ反落、高田日銀審議委員のタカ派発言で全面円高 ポンド円は0.86%安

2026年9月2日の外国為替市場は、円が主要通貨に対して全面高となりました。ドル円は159.49円と前日比0.766円(0.48%)の円高・ドル安、ユーロ円は184.843円で同0.686円(0.37%)の円高・ユーロ安、ポンド円は215.054円で同1.866円(0.86%)の円高・ポンド安となり、値幅・変化率ともにポンド円の下げが最も大きくなりました。

前日の市場は、米国によるイランへの空爆再開を背景に原油価格が急騰し、インフレ警戒から米長期金利が上昇。「有事のドル買い」が優勢となり、ドル円は160.28円前後まで上昇して7月31日以来となる160円台を回復していました。この日の東京市場も当初はその流れを引き継ぎ、中東情勢の長期化懸念からドル買いが先行して一時160.39円付近まで水準を切り上げる場面がありました。

流れが変わったのは午後です。日銀の高田創審議委員が講演で「連続利上げになることもあり得る」との趣旨のタカ派的な発言を行ったと伝わると、追加利上げ観測が改めて意識され、円買いが全通貨に波及しました。ドル円は159円台に押し戻され、夕方17時時点では159.60円台での推移となりました。市場では9月の金融政策決定会合での利上げを相応の確度で織り込む見方が広がっていたとされ、政策委員から連続利上げに言及する発言が出たことが、短期筋のポジション調整を促した格好です。

加えて、前日にはベッセント米財務長官が植田日銀総裁に利上げを要請したと報じられており、日米当局の姿勢が円安けん制の方向にそろっているとの受け止めも、円の下値を支えた面があるとみられます。前日は「有事のドル買い」に押されて反応が限定的でしたが、原油相場と米金利の上昇が一服したことで、こうした材料が意識されやすい地合いに変わったと整理できます。

クロス円の中でポンド円の下落率が突出した点も特徴です。ポンドは円買いの影響を受けたことに加え、英国では財政赤字の拡大とそれに伴う国債利回りの動向が引き続き market の関心事となっており、リスク回避的な地合いでは値動きが大きくなりやすい通貨です。ユーロ円の下落率が3通貨の中で最も小さかったことからも、この日の動きが「円買い」と「ポンド固有の売り」の合わせ技であった可能性がうかがえます。

今後の焦点は、中東情勢と原油価格の推移、米国の雇用関連指標を含む経済指標の内容、そして日銀の情報発信です。米金利が再び上昇すればドルの下支え要因となる一方、日銀の追加利上げ観測が強まる局面では円が買われやすくなります。相反する材料が同時に存在するため、当面は一方向に傾きにくく、要人発言や指標発表のたびに振れ幅が拡大しやすい状況が続く可能性があります。本記事は事実関係の整理を目的としたもので、特定の売買を推奨するものではありません。


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