2026年8月7日の為替市場は、前日(8月6日)と比べて全般に円が売られる展開となりました。ドル円は158.228円と前回比+0.499円(+0.32%)の円安・ドル高、ユーロ円は182.482円で+0.333円(+0.18%)の円安・ユーロ高、一方でポンド円は212.766円と前日から横ばい(±0.000円)で推移しています。円の下落幅が最も大きかったのは対ドルで、ドル主導の相場だったことがうかがえます。
ドル円が上昇した背景としては、まず地政学リスクの高まりが挙げられます。市場では、イランとオマーンの合意に米国とイスラエルによるホルムズ海峡の通航禁止が含まれると伝わったことを受け、中東情勢への警戒感が広がりました。原油相場の上昇と米長期金利の上昇が重なり、ドル買いが優勢となる場面が見られました。加えて、英紙報道をきっかけに米連邦準備制度の政策運営を巡って早期利上げを意識する見方が浮上したことも、ドルの支えになったと指摘されています。ドル円はテクニカル面でも200日移動平均線を回復し、上値を試す動きにつながりました。
円側の事情も見逃せません。7月30日に日本の通貨当局が円買い介入を実施し、31日には米財務省も円買いに動いたと伝えられましたが、その後は追加の介入が確認されず、円買いの勢いは徐々に後退していました。もっとも、市場では介入への警戒感が引き続き意識されており、ドル円のオプション・ボラティリティは高止まりしているとの指摘もあります。
ユーロ円の上昇は、ユーロ自体の買いというより円安に連れた動きの色彩が濃い展開でした。7月のユーロ圏消費者物価指数が加速したことを受けた欧州中央銀行の政策を巡る思惑は残るものの、この日は目立った新規材料に乏しく、値幅は限定的でした。ポンド円が横ばいとなったのは、7月30日の英中銀金融政策委員会で政策金利が3.75%に据え置かれた後、ベイリー総裁が早期の利上げ観測をけん制したことで方向感が出にくくなっているためとみられます。
なお、この日は日本時間夜に米7月雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数が前月比マイナス2.3万人と市場予想(+8.0万人程度)に反して減少しました。失業率は4.1%、平均時給は前年比+3.2%にとどまり、米金利の低下とともにニューヨーク市場ではドル売りが強まり、ドル円は156円台まで下落して取引を終えています。今回の集計レートは日中の水準を映したものであり、同じ一日の中でも時間帯によって大きく景色が変わった点は留意が必要です。
目先は、米消費者物価指数や英国の4〜6月期GDPなど主要指標に加え、通貨当局の動向にも関心が向かいやすい状況です。相場は複数の材料が絡み合って動いており、一方向の見方に偏らず、指標発表前後の変動幅にも注意しながら情報を確認していきたいところです。
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